前作:滝壺「わたしは――わたし達はあなたの居場所になりたい……」
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/06/25(火) 11:11:31.21 ID:91/mvLFM0
前略
梅雨の候、如何お過ごしでしょうか。当麻です。
ご心配されていたアビニョン、エリザリーナ内戦に関わった事実は御座いませんので、どうかご安心下さい。
世の中には似た人物が三人居ると申しましょうか、兎に角他人であり、私上条当麻ではありません。絶対。
学園都市にも大分慣れ、どうにか学業にもついて行けるようになった昨今、現在使っているアパートから諸事情により引っ越すことが決定致しましたので、ご報告を――。
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2013/06/25(火) 11:12:18.64 ID:91/mvLFM0
――上条家 実家
詩菜「ってハガキが」
刀夜「お金が足りない、とかって事かい?」
詩菜「いえ、そんな素振りは全然」
刀夜「引っ越し、引っ越しねぇ……あ、当麻の奴、彼女でも出来たんじゃないか?」
刀夜「だからもっと大きな所へ引っ越したい、とか」
詩菜「ヘタレの当麻さんにそんな甲斐性はありませんよー」
刀夜「そうなの?」
詩菜「えぇ、暫くお友達の所にご厄介になるそうですし。ほら、住所まで」
刀夜「ふーん。男親としちゃ寂しい限りだけどねぇ」
詩菜「ただ、その」
刀夜「何か気になるのかい?」
詩菜「勘ですけど……フラグ管理を間違えて、修羅場になってる予感が」
刀夜「どんな第六感?子を思う母親にだって限度はあるよね?」
詩菜「あなたが若い頃の匂いが、ね?」 ギリギリッ
刀夜「昔の話じゃないか!?私は詩菜さんを選んだんだし!」
詩菜「あらあら、刀夜さんったら」
刀夜「そうだとも!当麻だって私のような一途な恋愛を――」
詩菜「――この間、知らない女の人から電話がかかってきて、『刀夜さんと別れてください』って言われたんですけど?」
刀夜「」
詩菜「はい、じゃこっちで話しましょうか?血は落としにくいですからね」
刀夜「知らないよっ!?私には何の事だかサッパリだし!」
詩菜「あ、お洋服に付いた血液を落とす時には、完全に渇く前に大根おろしを加えると落ちやすいですよ?」
刀夜「なにそれ必要な情報じゃないし!?誰情報なのっ!?」
詩菜「『今宵も召しませAlicetal○』ですね」
刀夜「10年前のエロゲだよっ母さん!?しかも実際に試したって事だよねっ!?」
詩菜「アリ○役の声優さんって、ナレーター役でひっぱりっこですよねー」
刀夜「引退したんだよ?葉月サ○さんはもうこの業界に居ないんだからね?」
詩菜「と言うわけで、こっちへいらして下さいな、ね?」
刀夜「……はい」
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